あなたの家に家具はあるでしょうか?当然ありますよね。
リビングにはテレビボードやソファ。ダイニングにはダイニングテーブルとチェア、ダイニングボード。寝室にはベッドやワードローブ。おや?お宅は敷布団派ですか。
多少の差こそあれ、どのご家庭でもこんな感じではないでしょうか?もちろんいろんなブランドで商品のクオリティはそれぞれ違うでしょう。しかし、それでもこんな感じ(笑)。つまり顔ぶれが同じなんです。しかも何十年も変わっていません。
たとえばヴィンテージや名作デザイナーズと言われているような50年以上昔の家具達も根本的な意味では最新の家具と何も変わっていません。だからこそ、今でも人気があるのでしょうけど。これって良い事なのでしょうか?
いろいろ話題はあるけど実は苦しい家具業界
家具業界、不況ですよね。家具だけじゃないですけど…、
売れる家具はブランド力のある高級な家具か、中国や東南アジアで安く作った家具と二極化が進んでいます。中小規模の家具屋さんはどんどん潰れていき、一定規模の家具チェーンさんは頑張っているようですが、イケアやニトリのような安売りの組立家具に押されています。
また、海外で安くオリジナル家具を製造して展開するネットショップ系の勢力も力を付けているようですが、強烈な価格競争に陥っているように見えます。
その根本には、生き残りを賭けた熾烈な競争があります。製造メーカー、家具問屋、一般家具店のような仁義有る関係は事実上無くなっています。製造メーカーが問屋や家具屋を飛び越えて直販サイトを立ち上げたりすることは珍しくなくなりました。
相対するように家具店チェーンも自ら中国、東南アジアへ出向きオリジナル家具を製造、買い付けを当たり前のように行っています。なんでも有り状態です。
しかもそのクオリティも一昔前の「安かろう悪かろう」ではなくなっており、一定の品質で驚くような安い価格で製造が可能になっています。
そのこと自体は良い事だと思います。
でも、50年前と同じ家具を安くしているだけなんですよ。
家具業界の構造的な不況の最大の原因は新製品が無いってこと
家具ってぶっちゃけ、なかなか壊れないんですよ。下手すりゃ何十年も持つんです。っていうか家具なんて無くても死にゃしないんですよ。景気が悪ければ買わなければいいんです。何も困りません。
最初に言ったように、ほとんどの家庭にはもう一揃え家具は揃っているんです。つまり家具って買い替え需要の割合が非常に高い商品ってことです。新婚で何もかも一式新しく揃えるのは一度しか無いんですよ。いや、下手すりゃ一度も無い。一人暮らしをしていた時の家具を結婚しても使っている人はいくらでもいますから。
つまり、どんどん新しい家具を買ってもらう一番確実な方法は、今まで無かった家具を開発することに尽きます。携帯しか無かった時代に突如現れたiPhoneみたいなもんですね。AppleはiPhoneを通じて今まで無かった新しいユーザー体験をもたらしたわけです。
今までも誰も使った事のない新しいユーザー体験をもたらす家具…。
ソファでもなければベッドでもない、新しいライフスタイルをも提案してしまうような概念の新しい家具…。
どこかで作ってくださいよ。私はいの一番に買いますよ。