本箱がふたつある家の子は、本が数冊しかな家の子に比べて成績が良いそうです。
まあ、そりやそうですよね。ひとつしかない家とふたつの家の子供を比べるのではなくて、数冊しかない家の子ですから。下手をすれば本箱ないかもしれませんね。その子の家。
この調査の論文の著者はあくまで相関があることがわかるだけであって、因果関係を証明するものではないと言っているようですが、まあ、そうでしょう。っていうかこの人、当たり前のことを面白い視点で語っているだけのような気がするんですが。
本を読む習慣は家庭環境で作られます。
本を読むという習慣は小さな子供に勝手に根付くものではありません。まだひらがなも読めないような幼児の頃から、親達に丁寧に絵本を読み聞かせてもらって、本への興味が湧いていくのです。そして最初は絵が多くてひらがながちょっとの絵本から入り、少しずつステップアップしていきます。今度はこの本を読ませてあげよう、この本だったら気に入るかな?と親達は子供の為にいろいろ尽くすのです。
そこには本を読む事の楽しさ知って欲しいとの親たちの願いが込められています。読書をすることの素晴らしさを教えることが、その子の将来に大変役立つことを分かっているからです。
逆に、まったく本を読まない家庭も世の中には存在します。親がまったく本を読まないのです。本というより、趣味や教養としての「字」を読む習慣が無いのです。
そのような家庭の子供は当然小さな頃から本に接する機会がほとんどありません。その子は人生において大切な要素のひとつになるかもしれない「読書」を知らずに大人になってしまうわけです。
この二種類の子供たちが、同じ読解力、語彙力を持つはずはありません。しかも一方は読書自体から貴重な知識も得ています。統計的な意味でも成績が同じであるはずはありませんよね。
私の知っている本を読まない友人の話
印象が強かったので今でも良く覚えていますが、中学の時、私にも本を読まない友人がいました。
その子の家に遊びに行くと本が一冊もありませんでした。本箱も無く、新聞も取っていませんでした。別に貧乏だったわけではないと思います。私の家より良い車に乗ってましたから(笑)。一見派手な生活を送っているように見え、部屋の感じやその子の服装等は貧乏とは思えませんでした。おもちゃや卓上ゲーム等はたくさん持っていました。でも、部屋が大変殺風景に見えて、違和感を感じたことを覚えています。
後で気付いたのですが、本や本箱がひとつも無かったのです。
私のことを少しお話しますと、私の母親は大の読書好きで家には本が溢れていました。当然私も本好きになり、小説や、雑誌、漫画と部屋はいつも本で溢れていました。部屋には本箱が複数ありましたが本でいっぱいでした。本が廻りに溢れているのが普通だった私には彼の生活空間に大変違和感を覚えたわけです。(でも、まあこの記事のようにそんなに成績は良くなかったですが…}
彼は私でも知っている世の中のニュースとか、まったく知りませんでした。やはりというか成績も良くなかった。中学当時なのでその後の彼のことはよく覚えていません。確か進学しなかったはずで、どこかに就職したと思います。私は平凡に近くの公立高校に進学しました。
あなたの家庭に「本箱」はありますか?
インテラボでは家具のご紹介をしていますが、家具の中で売れない一番手はいわゆる「箱物」ってやつです。ようするに収納家具系、婚礼家具やワードローブ系です。今の時代はクローゼットが普通なので大きくて部屋のバランスを崩す収納家具は売れません。
次に売れないのが「本箱」。本が売れなくなってきているのです。ってことは本箱もいりませんよね。「本離れ」には理由はいろいろあります。流行りの電子書籍に食われているとか、ネットでほとんどの情報が入るのでわざわざ書籍を買う必要がなくなったとか。さきほどの友人のような「字を読まない」人達も増えているのかもしれません。
もしあなたのご家庭に本箱がひとつも無かったら……どうしましょうかね。
とりとめもなく、書いてしまいました。
それではまた。
[note]「あるモノ」がふたつある家の子は、良い成績が取れるらしい
gizmodoさんより[/note]