ペーパーコードを極めた逸品、旭川家具むう工房のPコードスツール

ペーパーコードって何だかご存知ですか?
北欧家具のYチェアの座面用に使われている素材で、ペーパーって言うぐらいですから「紙」なわけです。一般的には紙紐を3本ねじって強度を出したヒモを使います。なんとなくすぐ切れそうな気がしますが、そんなことはなくて予想外に丈夫で10年程度は問題なく使えます。
で、このペーパーコードを使って職人が丁寧に編み込んだPコードスツール。旭川家具のむう工房の製品です。北欧家具の王道を行くスタイルですが、完成度が素晴らしい。独自の技法で編み込まれた座面に惚れ惚れします。

なぜ、ペーパーコードが使われるのか?結局何がいいの?

まずなんと言ってもペーパーコードの質感のやさしさでしょう。Yチェア系のペーパーコードのチェアに一度でも座った事のある人なら、紙由来のやさしい感触を覚えているでしょう。ペーパーコードを編み込んだ座面そのものが適度なクッション性を持っていて、実に座り心地が良いのです。この心地よさは一般的なウレタン素材とは違う良さなんです。
もう一つは紙紐なので軽いこと、ほとんど厚みが無くヒモを編んでいるだけなので通気性が良いことが上げられます。
そして、予想以上に丈夫で長持ちすること。
もちろん、何らかの理由で痛んでしまうことはあるでしょう。このクラスのスツールを作っている工房ならほとんどの場合、編み直しが可能です。ペーパーコード自体はすごく安いものなので、ほとんど張り替えの手間賃だけで済むようです。むう工房さんのサイトを読んでいて驚いたのは20年経過して初期作品の編み直しの依頼が来ているんだそうです。

丈夫で長持ちするペーパーコード(※イメージをお借りしました)

20年…どんだけ長持ちなんだ!ペーパーコード恐るべしです。
むう工房さんのPコードスツールに使われているペーパーコードは防腐、撥水処理を施した再生紙が使われています。なるほど長寿命の秘密のひとつかもしれませんね。
ちなみにこのシリーズには他にもチェアやベンチがあります。今回はスツールだけですが、機会があればご紹介したいと思います。