家具の一大産地、徳島家具から今回は家具職人が徹底的に作り込んだ和モダンのテレビボードのご紹介です。
桧(ひのき)の無垢材を使用して、槍鉋(やりがんな)で表面のデコボコした味わい深い仕上げをハンドメイドで行っています。製造は徳島の川口指物家具工房さん。無垢材にひたすらこだわっている工房さんで仕口も凝った組み手系がほとんどで仕上げも拭き漆という本格派。川口指物の指物(さしもの)ってのは本来こういう家具のことなんですよね。これはちょっと強力な工房さんですよ。
槍鉋と拭き漆の話
槍鉋というのは、槍のような尖った刃物が付いた道具で、皆さんが良く知っている土台付きの鉋が発明される前から使われていた道具です。法隆寺の柱は槍鉋で作られているそうですよ。どんだけ古いんだこの道具(笑)。職人さんが、この槍鉋でジョリジョリと表面を削り、いい感じのデコボコ感を出しているわけです。
で、仕上げは「拭き漆」仕上げ。なんか珍しい加工法が続いていますが、これも昔からある技法で、下地がまったく見えなくなる「漆塗り」とは違って、木目の質感を活かした漆の塗装技法が「拭き漆」となります。漆を塗り込んではふき取る作業を何回も繰り返して仕上げていく方法です。木の状態を見ながら何度も繰り返す作業となります。拭き漆で仕上げた家具は大変耐久性が高く、漆の塗膜が長い年月に渡り家具を保護してくれます。耐水性も高いです。
お値段は最初「おお」って思ったのですが、この仕上げの手間と完成度を見ていると、なんかこれってコスパ良くないっすか?
好きか嫌いか、この表面の質感が全てでしょう。
家具としての完成度はむちゃくちゃ高いです。ただ、好き嫌いは割りとはっきり出やすいかもしれません。
和家具などの伝統的な指物系の雰囲気と和モダンが融合したこのテレビボード。槍鉋のデコボコ感や拭き漆の質感は好きですか?好きなら買いです。拭き漆の家具の高い耐久性は文字通りの一生もの。値段だけの価値はあります。
コーディネートも漆塗りの家具や伝統的な民芸家具じゃないとダメなんてことはありません。今流行りのチーク系のアジアン家具やウォールナットの家具にも似合いそうですよ。