柳宗理氏と言えば、日本のみならず世界的にも有名な巨匠デザイナーです。今回は家具のご紹介ですが、氏の作品というと、どちらかと言うとキッチンやテーブルウェアの方が馴染み深いかもしれません。どれもが大変シンプルでいて完成度の高いロングセラーばかり。今でも他方面に大きな影響を与えています。
家具方面では、なんといっても例の「バタフライスツール」があまりに有名です。発表されたのが1950年代ですから、まさしく「日本のミッドセンチュリー」の代表作の一つと言っても良いでしょう。まるで蝶が羽を広げたような不思議な形のスツールは、日本はもちろん世界でも高い評価を受け、世界の有名美術館に収蔵されています。
商品化に大きな役割を果たしているのがこれまた日本を代表する家具メーカーの「天童木工」です。元々、バタフライスツールに成形合板/プライウッドを使うアイデアは柳氏がイームズから得たものでしたが、1950年代に日本でいち早くこの技術を実用化していたのが天童木工でした。本場のミッドセンチュリーと同時期と言う所がちょっと凄いですよね。柳宗理氏と天童木工のコラボレーションはある意味、自然というか当然の成り行きだったのでしょう。今回ご紹介のダイニングテーブルとシェルチェアもそんな黄金コラボから生れた名作です。分かる人には分かる(笑)。そんな作品です。
成形合板とスチールパイプのミッドセンチュリー感にピクッと来た人は是非チェックです。
天板は成形合板でメラミン(白)とサペリ柾目の2種類があります。そしてシンプルですが形状が面白いスチールパイプ脚という構成のテーブルです。高価な材は一切使っておらず、コンセプトで勝負するというまさしくミッドセンチュリーの王道を行くようなテーブルであります。調べてみるとこのテーブルは一種の復刻版のようですね。柳工業デザイン研究会によって柳宗理氏のテーブルを再び世に出したというわけです。もちろん、天童木工とのコラボ作品です。
合わせるチェアも素晴らしい。「シェルチェア」と呼ばれており、バタフライスツールと同様に、成形合板技術の結晶の様なダイニングチェアです。ただし、このテーブルとチェアはダイニングセットになっているわけではありません。テーブルは復刻版ですが、チェアは現行正規品でお値段もそれなりにします。
ご予算によってはテーブルだけをご購入されてお好きなミッドセンチュリー系のチェアを合わせてみても良いでしょう。相性は良いはずです。
掲載は「住まいと暮らしのドアーズ」さん。詳細はそちらでご覧下さい。